私と競馬

競馬,と聞いて嫌悪感を抱く人って結構多い。特に女性が多いんだけど。

ギャンブルとしての競馬の楽しみは確かにあって,私もここ数年,馬券を買うことが楽しみになってたりするところはある。まあ,今回それは置いといて。私がなぜこんなに競馬が好きになったのか,どこが好きか書いてく。

 

競馬と出会ったのは私が小学校低学年の頃。少しずつ漢字も読めるようになってスーパーファミコンをし出したときのこと。父親しか使っていないため,当時の私が遊べそうなのはマリオカートくらい…。あとは麻雀・将棋・競輪・釣りなどで,その中で一番楽しそうだったのが競馬だった。他のソフトも一通りしたけど,『名前を自由につけられること』や『単純に馬(のグラフィック)が可愛い』という理由で競馬のゲームを主にすることになる。実際テレビで競馬を見たのはそれから少しあとになってからで,父親が持っていた種牡馬辞典を愛読する子供に育つ(笑)

 

テレビで競馬を見た時の感想はまた少し違った。「あまり面白くない…」。ゲームの世界の方が末脚は強烈だし,なんといっても愛馬が走るのだから,当時の私にはそっちの方が面白かったようだ。

しかし,一頭の競走馬と出会って私の価値観は一気に変わることとなる。その馬の名前はサイレンススズカ。音速の貴公子と呼ばれるその馬は,他の追随を許さないハイペースな大逃げが武器の馬だった。ハイペースというのもサイレンススズカにとっては【マイペース】。並の逃げ馬でないことは競馬初心者の私でも分かった。気持ちよさそうに逃げ切るその姿は,それから十何年と競馬を見てきた私の中でも輝き続け,今も一番好きな馬だなとしみじみ思う。

だが,そのサイレンススズカ天皇賞秋,予後不良となり天国へと旅立ってしまった。引退したらスズカの子供が見たい!同じ逃げ馬になったら面白いのになあ…!などと,元気にターフを去ることができると信じていた。まさか,あの日あんなことになるとはだれも予想できなかったと思う。いつも通りの大逃げをうち,今日も勝ったかと思った瞬間,明らかな減速をし斜行し脚を止めた。私は初めてレース中に馬が骨折するのを見たのだが,なんとなく助からないだろうな,と思った。何の馬が勝ったのかもわからなくて取り乱して泣いてしまった。もう二度と競馬は見ないと心に決めた瞬間だった。

 

それからしばらく応援ではなく父親が見ているからとりあえず,という感じで興味もなくなり,競馬のゲームだけをし続けた。

 

ある日休日に本屋へ雑誌を買いにいったとき,ふと競馬の本があるのに気付いた。競馬の本なんてあるんだ~と思って,手に取ってみたときにサイレンススズカという文字が目に入ってきた。私は少し高いけれど買おう,と思いレジへ向かった。スズカが生きていたことを忘れないようにしよう。そう思いページをめくっていろいろな事実が分かってきた。

骨折の原因はわからないのではなくない。

本来なら騎手(武豊)が振り落されてもおかしくないくらい重度の骨折だった。

そして,本当に生産者や調教師,騎手,ファンとみんなに愛されていた馬だったんだなと思い,またもや泣いてしまった。そして同じように競走馬として走っている馬たちにも,同じように熱い思いややさしさが注がれているんだな…と初めて分かった。悲しい想いだけでなく、親や家族のような気持ちで見守っている人たちのことを考えると、私も同じ気持ちでもう一度応援してみたいなと思えた。そして今日に至る。

長々と書いてしまったので次回からは端的に、ブログらしく書きます(笑)